青春トランプ対決 4

 

 





「でも、トランプで8人ってちょっと多すぎかも。」

「確かに。トランプが一組しかないのに、この人数は多いね。」

トランプの持ち主であるハルカとシュウが人数を数えて困った顔をする。

その言葉にカスミを腕を組み考える。

「そうね、8人で出来るゲームって言ったら……。」

「だったら、ペア組めばいいじゃない。」

「カナタ?」

同じクラスのカナタがいつの間にか隣にいた。

「元々エリコはカップル対決に来たんでしょ?だったら、カップル4組で対決すれば?」

「それいいわね!トシキ、カップル優勝目指すわよ!」

「……ま、そんな状態のエリコに何言っても無駄だからいいけど。」

しかし、納得していない人間もいる。

「何で私がこの無愛想男とペア組まなきゃいけないのよ!」

「どうしてオレがこのうるさい女とペア組まなきゃいけないんだ!」

ヒカリとシンジが声を揃えて反対する。

「へえ、戦う前から敗北宣言?ま、当然よね。私達に敵う相手なんているはずないもの。」

エリコがトシキの腕に自身の腕を絡めながら言う。

「オレが敗北宣言だと!?面白いじゃないか、やってやる!」

アッサリ挑発に引っ掛かるシンジ。

先程と同パターンの展開にカナタは手を叩く。

「はい、ヒカリとシンジ参加決定ー。」

「ちょっとカナタ!私、まだ参加するなんて一言も……。」

「シンジ連れてきたの、ヒカリなんでしょ?だったら責任持ちなさいよね。」

カナタの言葉にガックリうな垂れるヒカリ。

「何でシンジなんかと……。」

「はいはい、ホントは嬉しいんでしょ。それで、サトシとカスミは?」

「いいぜ!カスミ結構強いしな!」

「サトシ、足引っ張らないでよ?」

「分かってるって!」

「サトシとカスミも参加決定。最後はシュウとハルカね。」

カナタが二人を見ると、真正面から睨み合っていた。

「シュウが嫌味ばっかり言うからイヤ。」

「ぼくだってこんな運だけの人間とペアだなんて真っ平だ。」

「シュウは色々考えすぎるから負けるのよ!もっとスパッと勝負に出なさいよね!」

「君こそ運に頼った勝負はやめるんだね。二日前の16戦目の君の敗因はそれじゃないか。」

「次の17戦目で運だけの人間に負けたのは誰?」

「……とにかくぼくもイヤだ。」

そっぽを向く二人。

カナタはそんな二人を見ながら考える。

「じゃあ、ペアはクジで決める?相手が自分以外の異性と組むことになっても知らないわよ。」

その言葉に固まる二人。

「や、やっぱり、シュウとペアでいいかも……。」

「仕方が無いね。ハルカとのペアで我慢するよ。」

何だかんだ言ってもまだまだ可愛いわね、この二人。

カナタは笑う。

カップル対決トランプバトルの幕が開けようとしていた。





 

 

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