青春トランプ対決 3
「ねえ、私達も仲間に入れてほしいんだけど。」
「え?」
カスミが振り返った先にはさらさらロングヘアの少女と不機嫌な顔をした少年。
「あら、ヒカリとシンジじゃない。ヒカリはともかく、シンジがトランプで遊びたいなんて珍しいわね。」
「オレは来たくて来たんじゃない。この女に引っ張って来られただけだ。」
「シンジ、昼休みはいっつも一人でボケッとしてるから誘ってあげたんでしょ!?」
「ボケッとなんかしてない!考え事をしているだけだ!」
「それをボケッとしてるっているのよ!」
「何だと!?」
「何よ!?」
「ああ、ここにもバカップルが一組……。」
「カップルじゃねぇ!」「カップルなんかじゃないわよ!」
声を揃えて反論する二人。
「真似するんじゃねぇ!」「真似しないで!」
次のセリフも同時に飛ぶ。
そのまま言い争いに突入するヒカリとシンジに頭を抱えるカスミ。
いつまで続くんだろう、コレ……。
しかし、カスミの予想に反して、この言い争いは短時間で終わった。
「ったく、馬鹿馬鹿しい!やってられるか!」
「あっ、シンジ!」
一方的に会話を打ち切り、シンジがヒカリに背を向け教室を出ようとする。
「ふーん、逃げるんだぁ。」
ピクリ。
シンジの肩がヒカリの言葉に反応する。
ツカツカとヒカリの前に戻ってきた。
「いい度胸じゃねえか、お前。オレに負けて泣くなよ。」
「望むところよ!そっちこそ尻尾巻いて逃げないでね!」
「はいはい、これでヒカリとシンジも参加決定と……。」
やっとトランプ大会が始まりそうだ。