青春トランプ対決 2
「ハルカ、私達も入れてくれない?」
「へ?」
横手から聞こえてきた声にハルカは痴話喧嘩を中断し振り向く。
「エリコと……トシキ?」
隣のクラスのエリコとトシキが立っていた。
「アンタ達が毎度ラブラブでトランプ対決してるって噂を聞いてやってきたのよ!」
「ラブラブって違うかも!」
「学園一のラブラブカップルは私達よ!この挑戦受けるわね!」
「エ、エリコ、ぼくは図書室に用事が……。」
「何よ!こんなポッと出のカップルに学園一のカップルの座を奪われてもいいの!?」
「でも、相手は学園の有名人二人だよ。」
「……まあ、この二人、見た目は美男美女カップルだし、それなりに映えるかなーとは思うけど。」
「ぼくは学園で一番じゃなくてもエリコが好きだよ。」
「トシキ……。」
見つめ合う二人。
「あのー、お二人さん?」
そのオーラに脱力しつつ、それでも話しかけるカスミ。
放っておくと、シュウ達とは違った意味でいつまでも続きそうだ。
「とりあえず、二人も参加決定ってことでいいのね?」
「……トシキ、図書室に用事があるんでしょ?行ってきてもいいわよ。」
「いや、明日にするよ。今日はエリコとトランプがしたい。」
「トシキ……。」
「いや、あの、だからね……。」
痴話喧嘩も疲れるが、所構わずラブラブになってもらうのも困る。
「カスミ、大変だな。」
「そう思うんだったらサトシも手伝ってよ……。」
昼休みのトランプ対決はまだ始まらない。